コラムカテゴリー:情報戦略/業務改革
経営戦略とIT戦略の整合性を保ちつつ、情報資源を有効活用するためのITマネジメントの確立をすべきといわれて久しくなります。しかし、まだまだ中小企業では、ITはコストとの意識が強く、IT戦略の立案がおざなりになる企業が多くあります。
ほとんどの中小企業は、ITの重要性を感じています。しかし、具体的にどうするべきなのかわからず立ち止まってしまっている企業や、情報システム部門が保守・運用にしか機能していない企業が多くあります。
どのようにシンプルにIT戦略立案をすればいいのでしょうか。
IT戦略の立案のためには、従業員が理解・同意できる平易な表現による経営戦略の可視化が必要です。浸透しない経営戦略に対してIT戦略を立案しても無意味です。
従業員が理解・同意できる経営戦略が掲げられると、各部門の各従業員は何をすべきか具現化する作業を始めることができます。具現化された作業方針は部門ごとの事業計画や年間計画に表現されます。
具現化された資料には、IT戦略を立案するためのアイデアやコンセプトがちりばめられています。そのアイデアやコンセプトにおいて、システムで実現・支援できるテーマやキーワードを抽出し、「業務効率」・「サービス向上」などに分類します。
そしてIT戦略が従業員に浸透するために、平易な表現で可視化をします。できるだけ一文にし、細かい内容は箇条書きにして、従業員が理解しやすいものにすることが大切です。
一方、上記のような経営戦略からIT戦略を導く方法ではなく、IT技術を勘案し経営戦略の一部分を立案することもあります。最新の技術の採用や時間とともに安価になっていく外部サービスの採用などを勘案し、経営戦略に組み込みます。しかし、このやり方はIT動向に精通している従業員が少ない中小企業には向きません。日々変化するIT動向を把握し、自社に適切な技術の採用を提言するには少ない従業員では知識・智恵が不足します。また裏付けを取るだけの手間をかける余裕がありません。
裏付けのないIT動向を元にした経営戦略を立案すると、当然、従業員から理解を得られず、経営戦略が空中分解してしまうことが目に浮かびます。
中小企業に限らず、どの企業も従業員が大切であることは明確です。従業員が一丸となって企業活動を行うには、経営戦略もIT戦略も従業員が理解できる平易な表現が必要です。
経営におけるITの重要性が高くなっている昨今では従業員に浸透するIT戦略が、企業の今後を左右するといっても過言ではありません。皆様の会社ではIT戦略が可視化され、だれでも容易に理解できる表現になっているでしょうか?今一度、立ち止まってみて、確認してみてはいかがでしょうか。
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2014年05月20日 (火)
青山システムコンサルティング株式会社