弊社メールマガジンで配信した「コンサルタントのつぶやき」です。
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先日、私が支援をしている会社(以下、A社)の営業支援システム運用担当者から、
営業担当者からのお問い合わせについて、ご相談をいただきました。
お問い合わせの内容は、こちらです。
「私のアタックリストには、重複店舗がたくさん含まれている。
名寄せのロジックがどうなっているのか、教えて欲しい。」
運用担当者の方は、名寄せのロジックをどう説明したら良いのか悩んだため、
私にご相談をいただいた、という背景でした。
さて、あなたならどんな回答をされますか。
「名寄せのロジックが記載された設計書をお送りする。」
という愚直な方もいらっしゃるかもしれません。
「どんな重複が発生しているのか、教えて欲しい。改善を検討したい。」
という真摯な方もいらっしゃるかと思います。
では、別の角度から、この問い合わせを見てみましょう。
A社の営業担当者には、重複店舗があることで、どんな問題が発生しているのでしょうか。
残念ながら、お問い合わせの文面だけではわかりません。
「なぜ、お問い合わせをしてきたのか」に焦点を当てて考えてみたところ、
A社における営業の評価ルールにヒントがありました。
評価ルールには複数の観点がありましたが、その1つに
「アタックリストに対するアクション率を営業部内で相対的に評価する」
とありました。
つまり、リストに重複があり、アクションできる店舗数が減ることで、
アクション率が下がってしまうことを心配して、お問い合わせをしてきたのです。
この評価ルールを踏まえて、私は以下のように回答することを提案しました。
「名寄せのロジックは完璧なものではないため、一定の割合で重複店舗が発生します。
しかし、すべての営業担当者が同じロジックで名寄せされたアタックリストを使用しているため、
営業部内で相対評価をしている限り、評価に不公平は生じません。どうかご安心ください。」
その結果、円満にご納得をいただくことができました。
お問い合わせに記載されていることを「問題」だと捉えて、それを解決する方策を考えてしまうと、
本当の問題を解決することができないことがあります。
問題の表面に囚われず、問題の本質に迫り、問題設定をする大切さを再認識させられたご相談でした。
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2018年08月21日 (火)
青山システムコンサルティング株式会社
長谷川 智紀