コラムカテゴリー:プロジェクトマネジメント
プロジェクト失敗の要因として、『コミュニケーション不足でした』と回答が返ってくることが多くあります。
プロジェクト管理者やメンバーが、お互いの人となりや背景を知らない状況で、業務は円滑に進むでしょうか。
プロジェクト管理者の共有が漏れている、メンバーが進捗報告をしれてくれない、報告方法が人によって異なる・・
など対人関係を発端とした問題は発生します。
プロジェクト関係者全員が、高いコミュニケーションスキルを持ち合わせているわけではありませんので、
コミュニケーションルールを決めることによって、コミュニケーション不足を補うことが可能です。
コミュニケーションルールとは
誰に、いつ、どのような手段で伝えるのかを取り決めることによって、プロジェクト関係者同士の基本的なコミュニケーションを効率化したり、ミスを軽減したりすることができます。
全てのコミュニケーションを、ルール化することは難しいので、重要な会議や頻度が高い業務をルール化しても良いでしょう。
コミュニケーションルールの計画~実行
1. コミュニケーションルールの計画
プロジェクトによって共有すべき情報や伝達対象者が異なるので、発生しうる情報や必要な対象者を洗い出し整理しておきます。
管理分類やフェーズに分け、誰にいつどのような手段で伝えるのかをルール化していきます。
コミュニケーションルール(例)
分類 | 情報 | 伝達者 | 対象者 | タイミング | 手段 |
---|---|---|---|---|---|
進捗管理 | 進捗報告 | PM | 情シス部長 | 週次 | 進捗報告定例にて報告資料を共有 |
PL | PM | 週2回 | 進捗管理ツールにてスケジュールと報告資料を共有。 | ||
開発メンバー全員 | PL | 日次 | 進捗管理ツールにてスケジュールと報告資料を共有。? |
2.コミュニケーションルールの合意と認知
コミュニケーションルールを計画したら、ユーザーと合意形成をとり、プロジェクトメンバー全員にコミュニケーションルールを認知してもらいます。
3.コミュニケーションルールの実行
PMもしくはPLは、プロジェクトメンバーがルールを守っているかチェックして、コミュニケーションが円滑に進むように推進していきます。
計画しても失敗するケースもある
コミュニケーションルールを計画しただけでは、円滑にコミュニケーションが取れているとは言えません。
長期の大規模プロジェクトでは、ステークホルダーが多いため、コミュニケーションが上手く取れないメンバーが出てきてしまいます。
フェーズや状況によっては、コミュニケーションルールを見直すことも必要です。
コミュニケーションの質はプロジェクトの質
最初からコミュニケーションルールを計画しているプロジェクトは、少ないと思います。
小規模プロジェクトでは、プロジェクト関係者が少ないので、コミュニケーションをとれるだろうと考えがちですが、ルールが曖昧なため、統制がとれない現場を私は多く見てきました。
コミュニケーションの質はプロジェクトの質に大きく影響します。コミュニケーション計画を忘れてしまうプロジェクトも多々見られますが、忘れずに必ず計画に入れましょう。
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2019年02月13日 (水)
青山システムコンサルティング株式会社