前回の最後に「Will Beモデルには、SDGsの観点が必要」とのことでしたが、どういう意味ですか?
Will Beモデルというのは、顧客と自社の関係性の「ありたい姿」を言語化したものって話をしたよね?
そうでしたっけ?
少し前の話(「Will Beモデル」って、初めて聞いたんですけど。)で聞いたような。
忘れちゃったら、復習しておいてね。大事な話なので。
顧客と自社の関係性は、当然ながら長期的な関係性を考えるべきなので、自然とサスティナブル(持続可能な)な視点に立つことになるでしょ?
(あ!急に英語できる感を出してきた。)
そうすると、SDGs=「持続可能な開発目標」の観点が入ってくるって意味だよ。
なるほど!そういうことですか。
でも、SDGsって17個の目標があるんですよね?
そんなにあると、どれを意識したら良いのか、わからなくなってしまいます。。。
本当は、全てのゴールがつながっているので、別々で考えるべきではないんだけど・・・。
ん?だけど?ということは?
経験的には、DXに関係が深いゴールはあるよ。
そういうことを知っていると、取っつきやすいです!
いや。手抜きとかではなく。
1つ目は、9番目の目標。
「産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
これはわかりやすいよね。
そうですね。技術革新の基盤の構築とデジタル化は、切っても切り離せない関係にありますからね。
もう1つは、12番目の目標。
「つくる責任つかう責任」
持続可能な生産消費形態を確保する
これは、前者(つくる責任)と後者(つかう責任)で分けて考えてみよう。
つくる責任。
責任を果たしているかどうか、可視化する必要がありますね。
そうそう。
例えば、サプライチェーンマネジメントをして、トレーサビリティを実現する、というのがあるね。
(また、英語できるアピール。。。)
つまり、どこで生産されたのか、追跡できるようにするってことですよね。
追跡できるようにするためには、バーコードやRF IDで入出荷および在庫管理をするっていうのがセオリーになるから、当然ながらデジタル化をすることになるし、自社だけでは達成できないので、関係会社を巻き込むことになる。ひいては業界全体で取り組む必要があるんだ。
とってもオオゴトになりますね。。。
小さく始めて、大きく育てる。
というステップを何事も踏むので、まずは自社から開始して広げていくことになるだろうね。こういうときに、ビジョンが明確に描かれていると、多くの人を巻き込みやすくなるよ。
そしたら、つかう責任。
これは、デジタルにどんな関係がありますか?
広義にはトレーサビリティに含まれるけど、つかった後に、リサイクルができるかどうか、実際にリサイクルされているかどうか、リサイクルのプロセスが地球に高い負荷を与えていないか、消費者に開示しておく必要がある。
開示されている情報で、消費者は「つかう責任」を果たすために、自分で情報を収集した上で商品を選択し、さらにリサイクルを適切に行う。ということですね。
情報の開示をするためには、リサイクルの工程をデジタル化する必要があるし、情報を開示をするプロセスも可能な限り自動化しないと手間ばかりが増えてしまうから。
正直、対応の必要性はわかっていながらも、実際の優先順位は下がりそうですね。
そういう会社も多いと思う。利益に直結しないからね。
でも、グランドデザインに組み込んでおかないと、永遠に対応することができなくなってしまうので、最初から計画には組み込んでおいた方が良いのは間違いない。
まさに、顧客との関係性の「ありたい姿」であるWill Beモデルから出てくる発想ですね。
おっ!ちょっとは、わかってきたのかな?
別の視点で、自分が「つかう責任」を果たすことを考えると、開示された情報が複数あったときに、適切に選択できる自信が無いです。。。
SDGsウォッシュの問題もあるからね。
なんですか?SDGsウォッシュって。
うーん。自社の取り組みの良い面だけ情報開示したり、脚色した情報を開示して、実際よりもSDGsに貢献しているように見せかけること。って感じかなぁ。
この話は、いずれ触れたいと思うけど、今日はここまでにしよう。
確かに。今日はもうお腹いっぱいです。
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2020年03月31日 (火)