弊社メールマガジンで配信した「コンサルタントのつぶやき」です。
IT利活用のトレンドやお役立ち情報をメールマガジンでお届けしています。
近年は様々な業務でペーパーレス化・電子化により紙書類のやりとりを廃止し業務効率の向上やコスト削減といったメリットを享受していますが、人事労務業務に関しては未だに紙書類のやりとり多く非効率なケースが見受けられます。
特に全国展開している事業所や店舗が多い企業や、アルバイト活用で入退社の頻度の高い企業では、紙書類の授受・整理・保管に多くの時間を取られています。
人事労務で紙書類が多い理由は、労働保険や社会保険の手続き等で紙書類を行政機関に提出していることや、雇用契約書等の社内保管文書でも紙書類で保存をしていること等が挙げられます。
労働保険・社会保険に関してはe-Gov(電子政府の総合窓口)で電子申請が可能ですが、知名度の低さや入力操作の煩雑さからあまり普及していません。
こうした状況が考慮され、大企業などを対象に2020年4月から社会保険・労働保険に関する一部の手続の電子申請が義務化(※)され、今後中小企業も義務化される見通しとなっています。
※厚生労働省HP: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00004.html
また、最近の人事系システムでは以下のようなペーパーレスを実現する機能が実装されつつあります。
- API形式による電子申請(e-Gov形式と違い、人事系システム上で効率良く申請可能)
- 電子契約(雇用契約書、労働条件通知書等を法令上認められる形式で締結・電子保存が可能)
- マイナンバー、年末調整のスマホ収集
- ?給与明細や源泉徴収票のWEB発行
e-Govの利用状況: https://www.e-gov.go.jp/about/use.html
(e-Gov形式(ブラウザ申請)より、API形式(API申請)の申請数が伸びています)
今後は上記で挙げた法令改定やシステムの機能拡充により、ようやく人事労務業務もペーパーレス化が進んでいくと考えられます。
皆様の会社が義務化の対象では無い場合でも、将来の義務化の備えや業務効率化の機会と捉え、ペーパーレス化の実現を検討してはいかがでしょうか。
2020年03月16日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
池田洋之