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システムコンサルタント岩野 晃久
アプリ、インフラ、開発、運用など、幅広い知識と経験を活かし、クライアントの業務効率を向上するために提案していく。モバイルデバイスの活用に関する業務経験や、福祉分野の資格と経験、教育分野の資格と経験も活かしたコンサルティングも提供する。
冬になると乾燥した日が続き、静電気に悩まされることが多くなります。オフィスのドア、エレベーターのボタン、車のドアなど、触れたときのショックは嫌なものです。また、髪の毛が逆立ったり、服がまとわりついたりといった現象もあるかと思います。
オフィスに到着して上着を脱ぐときにバチバチと音がしたり、ひざ掛けを取ったらキャビネットに吸い寄せられたりと、最近経験したことも思い出されます。
いろいろと調べてみると、服装選びだけでも静電気の発生を抑えられることが分かりました。ポイントは素材の相性という話なので、服装選び以外にも応用して、静電気対策に役立てられそうです。
衣類の素材の帯電列
インターネットで静電気のことを調べていたところ、「衣類の素材の帯電列」という図にたどり着きました。
おおむね以下のようなものです。
「-」に帯電 しやすい |
帯電 しにくい |
「+」に帯電 しやすい |
||||||
アクリル | ポリエステル | アセテート | 麻 | 綿 | 絹 | レーヨン | ウール | ナイロン |
静電気は、異なる素材がこすれ合うことで発生します。
衣類と衣類がこすれ合うことで、一方がプラス(+)、もう一方がマイナス(-)の電気を帯び、静電気として蓄積している状態になります。静電気を帯びた状態を「帯電」といいます。
帯電している衣類からは静電気が放出されたい状態で待ち構えており、電気を通しやすい素材に向かって放出(放電)されるときに、バチバチというショックが起こります。
離れている素材同士は静電気が発生しやすい
帯電列の離れた素材同士がこすれ合うと、それぞれにプラスとマイナスの電気を帯びようとするため、静電気が発生しやすくなります。
帯電列が離れた素材の衣類を重ね着すれば、静電気の発生は必至ということになります。
たとえば、ポリエステルとウールがこすれ合うようなコーディネートでは、静電気が発生しやすいということです。
近い素材同士は静電気が発生しにくい
帯電列の近い素材同士がこすれ合っても、それぞれにプラスまたはマイナスの同じ電気を帯びようとするため、静電気は発生しにくくなります。
帯電列が近い素材の衣類であれば、重ね着しても静電気の発生を抑えられます。
たとえば、ウールとナイロンがこすれ合っても静電気はほとんど発生しません。
帯電しにくい素材は静電気が発生しにくい
帯電列には、帯電しにくい素材があります。綿や麻などの天然素材です。
帯電しにくい素材を挟むことでも、静電気の発生は抑えられます。
その他の一般的な対策
素材選びに加えて一般的な静電気対策も施すことで、静電気の発生を大幅に抑えられます。
- 柔軟剤を使う
- 静電気防止スプレーを使う
- 湿度を保つ
- 重ね着を避ける
柔軟剤や静電気防止スプレーの役割りは、素材同士が直接こすれ合わないように、潤滑剤のような働きをします。湿度を保つことでも考え方は同じです。
このようなポイントを踏まえた服装選びを心がけることで、静電気の悩みを軽減することが期待できます。
足元にも気を付ける
ゴム底の靴は静電気を蓄積しやすいと言われています。革靴や布製の靴のほうが静電気対策にはなります。
当然のことながら、靴下の素材にも注意します。素材の帯電列を確認して、ボトムスの素材との相性がよいものを選ぶことで、静電気の発生を抑えられます。
オフィスではサンダルやスリッパを使われるかもしれませんが、その素材と床の素材の相性によっては、歩くだけで静電気を発生させてしまう可能性があります。
足元の素材の見直しも必要かもしれません。
静電気とITの関係
IT業界では常識のような話ですが、電子機器は静電気で故障することがあります。そのため、特にハードウェア関連の分野においては静電気対策に気を使います。
たとえばデータセンターのようにIT関連の電子機器が多く配置されている場所では、静電気防止マットや静電気除去装置の使用などで、静電気の影響を低減するように対策しているはずです。
オフィス内においても、パソコンやディスプレイのアースは、ぜひとも正しく接続しておきたいものです。
業務で利用する電子機器を静電気で不調にしてしまわないように、素材の帯電列を気にしておこうと思いました。
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2025年02月17日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
岩野晃久