知識の空白地帯を認知する

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2歳の子供とご飯を食べているときに、私は子どもに「食べず嫌いはよくない。試しに食べてみなさい。」と叱ったことがあります。それに対して、子どもは「お父さんは全部食べたことあるの?これは?」と蛇の図鑑を持ってきて尋ねてきました。私は反応に困り、「今度食べてみよう」と回答を濁して話題を変えました。

私たちには好き嫌いや興味の有無がありますが、ものごとの認知している範囲内で判断しているにすぎません。それは子供も大人も同じことです。もちろん、食べ物だけではなく、スポーツや音楽、学問などすべてに言えます。学生時代までは周りが新たな経験を提供してくれていましたが、社会人になると自ら行動を起こさなければなりません。日々の生活が習慣とやりたいことで埋め尽くされている中、敢えて「興味がなく選択肢から除外していたこと」にチャレンジしてみることは勇気がいるでしょう。しかし、意識していなかったことへの挑戦が、自分の認識の幅を広げ、生活や仕事を豊かにすることもあります。

以前、友人に誘われてSF読書会に参加しました。友人には申し訳ないのですが、参加前まではSFに興味はありませんでした。なぜならば、SF作品は夢物語を描いたもので、生活や仕事にあまり役立つものではないと考えていたからです。しかし、実際に参加をして、参加者と会話をすることで新たな気づきと学びを得ることができました。SF読書会の帰り際には、数冊のSF小説を購入して、SF思考とSFプロトタイピングをビジネスに活かす方法を調べていました

心理学・行動経済学者のジョージ・ローウェンスタインは「情報の空白」を認知することが好奇心に繋がると提唱しています。人は無知のものには興味を持てませんが、ものごとを少し知ることで、知りたいこととの間にある空白を埋めようと反応するようです。興味のないことや意識していなかったものごとを少し知り、自分の知識に空白地帯があることを認知することが新たな発見に繋がる第一歩です。皆さんも興味のない領域に触れてみてはいかがでしょうか

今度、私は子どもとの約束どおり、蛇肉を食べてみようと思います

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2024年05月20日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
高柳充希