弊社メールマガジンで配信した「コンサルタントのつぶやき」です。
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夏の終わりになると、夏休みの最終日に山積みの宿題と向き合った幼少期を今でも思い出します。
「宿題は計画的に終わらせなさい!」という親の言葉は、論を俟たない正しさを持っていますが、
「今日は暑いから明日にしよう」とか「7月中から頑張らなくてもいい」とか、
何らかの言い訳をつけて先延ばしにしていました。
このような「明らかに正しいこと」であっても、
行動に移す際には自分の中にある「抵抗」と戦わなければならないことがあります。
車のシートベルト、新車の運転席に設置が義務付けられたのが1969年でした。
高速道路と自動車専用道路で、前部座席(運転席と助手席)の
シートベルト着用が義務付けられたのが1985年です。
その後、1992年に一般道でも義務付けられて、2008年に後部座席でも義務付けられました。
掛け替えのない自分の命を守る効果がとても高いのに手間が少ない、
つまり、コストパフォーマンスに優れた「シートベルト着用」の義務化に対して、
私たちはこんなにも長い年月を要しました。
これらを教訓にすれば、
デジタルの導入や業務改善がどんなに魅力的な未来をもたらすとしても、
社内で抵抗されることに何も不思議はないでしょう。
メリットの大きさは全く関係なく、強制や変化を人間は嫌がるのです。
合理的な判断なんてできません。
では、どうやってクライアントと一緒に抵抗と戦い、
自社をより良い会社にするための変化を促すのか。
私の答えは「自分の意思で行動してもらう」です。
とはいえ、全く何もしないわけではありません。
相手が自分自身を説得することを手助けをします。
具体的には、指示をするのではなく質問をして、
納得感を醸成するアプローチが基本的になります。
質問のテクニックとしては「イエスセット話法」などもありますが、
テクニックを活用するかどうかは別にして「行動する理由と意味」を
自分の口から話していただくことが重要です。
1つの行動でゴールに到達するケースは少ないので、
何度も質問を繰り返すことが必要になります。
ご想像のとおり、このアプローチは時間がかかります。
でも、人間が変化をするために長い時間が必要であることは、
私たちは自分自身の胸に手を当てればわかります。
それなのに、他人に短期的な変化を求めようとするのであれば、
無理が生じるのは当然のことです。
以上から、自社の変革を計画されるときには、
期間の長いスケジュールで考えていただければと思います。
もし、コンサルタントに自社の変革を期待するのであれば、
薄くても長くお付き合いをするプランを
選択肢の1つとしてご検討されることをお勧めいたします。
2024年09月16日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
長谷川 智紀