弊社メールマガジンで配信した「コンサルタントのつぶやき」です。
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今年も年賀状の季節となりましたが、元旦までの年賀状配達数が昨年から約34%減少して、16年連続の減少となったそうです。
年賀状離れの理由として「SNSやメールの普及」がよく挙がりますが、実際にSNSやメールに変更された方に質問です。
SNSやメールが普及していたとして、「年賀状離れが進んでいる」「SNSで年始の挨拶をする人がハガキを超えた」といった年賀状離れが進んでいる情報がまったく入ってこない状況であったと仮定した場合、それでも年始の挨拶をSNSに変更したでしょうか?
恐らく、多くの方が「年賀状を送り続けている」と想像されたのではないでしょうか。
多数がある選択肢を選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果を「バンドワゴン効果」と言います。
「多くの人がSNSに切り替えているから、自分も大丈夫!」の心理ですね。
では次は少し質問を変えます。
「年賀状のお年玉が現金に」「SNSでの挨拶は失礼だと感じる」「〇〇な人は9割以上の人が年賀状を継続する」といった年賀状継続を推奨する情報ばかりが入ってくる状況であったと仮定した場合はどうでしょうか?
この場合も、「年賀状を送り続けている」と想像された方がいるのではないでしょうか。
陽性強化と諷喩(それとなく遠回しにすること)が意思決定に影響を与えること、人々の行動や意思決定を微妙に誘導することを「ナッジ理論」と言います。
つまり、年賀状離れが年賀上離れを増大させるバンドワゴン効果や、年賀状離れを後押しするようなニュースによるナッジ理論もあって、年賀状離れという「行動」が進んでいるということです。
近年、上記例のように「人間の行動」を心理学と経済学から分析する「行動経済学」が注目されています。
行動経済学チームを自社に設けて、ビジネス活用を積極的に進める企業(Google、Amazon、McKinsey等)も増えています。
人間の行動の構造を理解することができれば、その行動を変えることも可能です。
実際に、私達も自分で行動を選択しているようで、実は誘導された行動をなぞっていた、というケースが少なくありません。
あっという間に『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』の2025年です。
同レポートでもビジネスモデル変革に触れていますが、ビジネスモデル変革とは「人間の行動を変えること」です。
今こそ「行動経済学」なんていかがでしょうか。
2025年01月20日 (月)
青山システムコンサルティング株式会社
吉田勝晃