弊社メールマガジンで配信した「コンサルタントのつぶやき」です。
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最近「未来の年表」(河合雅司著)という本を読みました。べストセラーとなっているので、すでに読まれた方も多くいらっしゃるかと思います。
ここには以下のように具体的な数字を挙げて日本の将来を予測しています。
たとえば、
2023年 企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる
2027年 輸血用血液が不足する
2039年 深刻な火葬場不足に陥る
2040年 自治体の半数が消滅の危機に
2045年 東京都民の3人に1人が高齢者に
すでに少子高齢化といわれており、地方では過疎化が進行し限界集落も発生している状況ですが、このメルマガの読者の多く方は首都圏に在住されており、今一つピンときていない方も多くいらっしゃるかと思います。
しかし、私が最も衝撃を受けたのは西暦2900年には日本列島に住む人は6,000人、西暦3000年にはなんと2,000人になってしまうという予測です。
数百年後には日本人は「絶滅危惧種」となってレッドリストに入ってしまうのです。
このため、政府では移民政策やこの本の筆者は第3子をもうけた夫婦に政府から一千万円の補助金を出すことなどを提言していますが、それで本当に解決するのでしょうか?
移民政策については、日本は元来、島国国家でほぼ単一民族で発展してきましたから、外国文化や外国人の受け入れにはあまり寛容ではありません。積極的に移民を受け入れ発展して成功した国はアメリカだと言われていますが、言葉や文化の違いからお互いを十分理解できず、銃殺し合うような闇の部分も抱えています。
また「合計特殊出生率」を上げるための補助金も、子供を育てる周りの環境が充実していなければ画に描いた餅でしかありません。現在のように夫婦共働きがあたりまえで、待機児童が多くいる現状ではこれ以上子供を産もうとする夫婦のインセンティブになるでしょうか?
世界の中で夫婦共働きでも人口が増加して発展している国がベトナムだそうです。その理由は何だと思いますか?
「三世代同居」なのです。ベトナムでは夫婦共働きが普通で、夫婦の子供はおじいちゃんやおばあちゃんが面倒を見るのがあたりまえの社会なのです。
日本も昔の農家ではそうでしたが、若者たちが都会へ就職し、両親を田舎に残したまま都会で家族を作ってしまう時代になりました。両親を都会に呼ぼうにも家が狭かったり、両親が住み慣れた土地を離れたがらないだったりということで核家族化が進んでいます。
しかし都会でもそのうち人口減少により土地も安くなり、広い家が持てる時代が来れば、都会の中で三世代同居も可能になると思います。そうすれば2人目と子供を育てる環境が整い、第3子誕生で一千万円の補助金も現実的になるのではないでしょうか。
かく言う私は、口うるさい母親とはあまり同居したくなかったのですが...。(笑)
2018年01月10日 (水)
青山システムコンサルティング株式会社
谷垣 康弘(元会長)