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皆さん、統計学という学問はご存じでしょうか。
私たちの周りには、数多くのデータがあります。
データとは「何かの目的のために取られた、まとまった数値や物の集合体のこと」ですが、それらを見ているだけでは何も分かりません。データの数を数えたり、平均を出したり、分析をしたりと、手を加えることによって、初めてデータの意味を知ることができ、活用できるのです。
統計学とは、数のデータの意味を調べたり、大きなデータから一部を抜き取って、その抜き取ったデータを調べることで、元の大きなデータを推測したりするための方法です。
近年、統計学が注目されている
統計学が注目を集めており、たくさんの書籍も発行されています。
『統計学が最強の学問である』や『ビジネスで本当に使える超統計学』は本屋で見かけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
統計学を駆使してビックデータを分析することにより、経営戦略の立案や新商品やサービスの開発などで大きな成果が得られています。統計学を利用したデータ分析は一般化されつつあり、いくつかの事例を紹介します。
統計学を活用した事例
≪野球業界編≫
『マネー・ボール』という映画をご存知でしょうか。2011年に公開された映画で、オークランド・アスレチックスのチーム再建を目指すストーリーとなっています。
この映画では、セイバーメトリクスと呼ばれる”野球の統計学”を駆使したチーム再建が行われました。
セイバーメトリクスとは、例えば、「打率の良いバッターよりも出塁率の良いバッターを重視した方が得点に結びつく」とか、「得点の期待値を換算すると送りバントは得点の期待値を下げるため支持されない」など、野球を統計的に科学した研究領域を指します。
このセイバーメトリクスは、メジャーリーグ(以下MLB)では現在積極的に活用されており、日本プロ野球(以下、NPB)でも少しずつ浸透しつつあります。
弱かったアスレチックスでしたが、ワールドシリーズを制覇。その理論が正しかったことを世に認めさせたのでした。
日本のプロ野球でもとりわけ親会社がIT業界というだけもあって、楽天イーグルスではデータ分析が進んでおり、
分析システムを導入して投手が投げるリリースポイントやスピン数、速度、球種などを計測して打者に打たれたときの原因や
打たれなかったときの把握に活用されています。
楽天イーグルスの則本投手が統計学を上手く活用することで、今年、日本新記録となる8試合連続10奪三振の偉業を達成したと言っても過言ではないでしょう。
≪政治編≫
実は選挙速報にも統計学は使われています。
選挙速報を見て疑問がわかなかったでしょうか。
開票率が1%なのに、当選確実!?全ての投票を確認していないのに、何故、投票結果が発表できるのでしょうか。
メディアは選挙開催が決まると、事前調査に乗り出します。無作為に電話やメールなどをもとにどこの政党や候補者に投票するか質問を行い、過去の候補者実績や知名度をもとに独自の事前予測を纏めます。
また、事前予測だけでなく出口調査によって当選か否かの判断をしています。
仮に1万人の投票があった場合、無作為な96人分の投票結果が分かれば、1万票全体の動向が推計できます。
細かい計算式は割愛させていただきますが、96人という数字は、許容誤差10%、信頼率95%という計算条件設定の中ではじき出される数字です。つまり、誤差が10%くらい出るかもしれませんが、特殊な5%以外の95%の範囲にその結果(候補者)は含まれているという意味です。100人いたら95人はその結果(候補者)に投票しているだろうということです。
当確を出すメディアが、どのような判定基準を使っているか定かではありませんが、統計学を活用して結果を予測しています。
最後に
分析手法として統計学を知らない方は、まだまだ、たくさんいらっしゃいます。
私もここ数年で『統計学』とは・・・を知ったその1人です。
システム障害や機能分析を主としている時期、群を抜いて原因を特定するのが早い仲間がいました。
彼に『何故、そんなに早く解決できるの?』と尋ねた所、『統計学を学んだおかげかもしれない。』と言われました。
早く問題解決したい思いもあり、半信半疑で統計学を学んだのが最初のきっかけです。
結果、考え方の視点がかわり、問題解決が早くなった実感がありました。
マーケティングやECビジネス担当者には統計学は必要だと捉えがちですが、それ以外の方にでも日常業務で活かせる新たな発見があるかもしれません。
参考文献
- 統計学が最強の学問である[実践編]?データ分析のための思想と方法(西内啓先生)
- ITmedia ビジネス ONLINE
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2017年12月20日 (水)
青山システムコンサルティング株式会社
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