昨年(2017年)は、「人手が足りない」という声を耳にする機会があまりにも多い一年でした。
年末にかけては、外食、小売、コンビニなど、多くの業界・企業で人手不足による元日の休業が発表されました。人口減少社会に向かっている現状を強く印象付けられました。
人口減少社会においては、弊社もその一員であるIT業界が担う役割は少なくありません。
実際にIT業界がどのような役割を担っていくのか、考えてみたいと思います。
人口減少の予測データ
人口減少について、実際の数字(予測データ)で確認してみましょう。
本コラムでは人口減少の中でも人手不足に直接関連のある生産年齢人口(15歳~64歳)に注目します。
『国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」』から、生産年齢人口は以下のように推移すると発表されています。
2015年 7,592万人 (100とする)
2020年 7,341万人 (97)
2030年 6,773万人 (89)
2040年 5,787万人 (76)
2050年 5,001万人 (66)
生産年齢人口の減少は既に始まっており、有効求人倍率もバブル期並という状況です。
生産年齢人口減少社会におけるIT業界の役割とは
生産年齢人口減少社会では、とにかく労働力が不足することが予想されます。
生産年齢人口減少社会における労働力不足の解決策は一様ではありませんが、本コラムでは労働力不足の解決にIT業界が担うべき役割について考えたいと思います。
労働力不足の解決においてIT業界が貢献できるのは、「人が行っていた業務をシステムで代替する」領域が主であるといえます。
そもそも企業におけるIT化(情報化)の目的とは、「経営を支援すること」であり、それはコスト削減や売上拡大に貢献することです。「人が行っていた業務をシステムで代替する」ことは、これまでもIT業界が貢献してきた領域であることには変わりありません。
しかし、従来のアプローチだけでは労働力不足の解決が十分にできていないからこそ、労働力不足が顕在化しているという見かたもできます。
IT業界は既に、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、RPA(ロボットによる業務自動化) といった優れた技術を開発しています。これらの技術は一種のバズワード(もっともらしいが実際には定義や意味があいまいな用語)で終わる可能性も否定はできませんが、その一方で人口減少に伴う労働力不足という大きな問題の解決を加速していく可能性を秘めています。
IT業界は新しい技術をバズワードで終わらせずに、これまで以上に「人が行っていた業務をシステムで代替する」こと、そして労働力不足という「社会問題を解決する」ことに対する役割が求められることを、強く自覚する必要があります。
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2018年01月10日 (水)
青山システムコンサルティング株式会社