コラムカテゴリー:データ分析
「ビッグデータ」の広がりに伴い、それを活用するためのプロとしての「データサイエンティスト」という言葉も普及してきました。
弊社のこれまでのコラムでも、BI、ビッグデータといったキーワードを取り上げてご好評をいただいております。
とはいえ、「データサイエンティスト」の定義は明確ではなく、盛り上がりとはうらはらに、なかなか実態が伴わないことも多いのではないか、と感じています。
そこであらためて、データサイエンティストに求められること、いかにビジネスに貢献することが期待されるのかを考えていきます。
データサイエンティストという言葉は、元来の「データを科学的に取り扱う者」という意味から広がり、「ビッグデータを活用するプロフェッショナル」という意味合いで用いられるようになってきました。
※2013年7月16日には「データサイエンティスト協会」が設立され、10月4日からは入会募集も開始されています。これを機に、「データサイエンティスト」という新たな職種についての定義が浸透することが期待されます。
「ビッグデータを活用するプロフェッショナル」の素養としては、
・統計学のスキル
・ITスキル
・ビジネススキル
といった多様なスキルが高い水準で求められます。
それでは、これら全てのスキルを高いレベルで満たす人物が、世の中にどれくらいいるでしょうか。あまりいないという実感があるからこそ、「データサイエンティストが不足する!」と言われていると思われます。
また、ビジネスに精通していることという要素にしても、その「ビジネス」というものは、会社、環境によってさまざまです。
したがって、特定の環境でデータサイエンティストとして活躍できた人が、必ずしも優れたデータサイエンティストとは限らない、ということもありえます。
一方、ビジネスにおいてに求められているのはどういったことでしょうか。
【様々な「ビジネス環境」を(ビッグ)データという事実からとらえ、因果関係等を理解して説明し、価値創造に繋げる。】
というデータサイエンス(分析)業務だと考えられます。
それは必ずしも「データサイエンティスト」という個人で実現できなくても、「データサイエンスチーム」として実現できればよいはずです。
たとえば、「市場変化の予測モデルを作り、ビジネスの方向性を導き出す」という課題を想定します。
その課題を分解して、
・データから市場変化を把握するためにシステムを活用する
・予測モデルを作成する
・予測モデルに基づいて、ビジネスの方向性を検討する
・検討内容を意思決定ができる形で説明する
とします。
これらすべてを行える人はなかなかいないかもしれませんが、それぞれ個別であれば対応できる人がいる可能性は広がります。
複数のメンバーで補い合い、最終的にビジネスの意思決定に貢献できれば「(ビッグ)データをビジネスに活用する」という目的は果たせます。
「データサイエンス(分析)業務」は、「データサイエンティスト」という個人で行うだけでなく、チームでできるような体制構築が必要だと考えます。
その際には、役割分担を明確にし、各自が磨くべき方向性を示すことが重要です。個人で漠然と「データサイエンティストを目指す!」という目標設定をしても、どうすればいいのか途方に暮れるかたが多いのではないでしょうか。チームの仕事として「データサイエンス(分析)業務」をとらえ、役割分担をしたうえで、それぞれのメンバーが磨くスキルを明確にすることが大切です。
それは、データサイエンスに限らず「分業」をする際にすべき基本的なことですが、あいまいなままにされたり、意外と疎かにされがちです。
データサイエンスチームを構築するというのも、ひとつのプロジェクトとしてプロジェクトマネジメントの視点が重要です。弊社にはプロジェクトマネジメントの経験豊富なコンサルタントも多くおります。データサイエンスチーム構築におけるPMO(Project Management Office)的な存在としても、弊社コンサルタントのご活用をご検討ください。
関連サービス
2013年10月10日 (木)
青山システムコンサルティング株式会社