青山システムコンサルティングのコンサルティングコラムです

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2009年になり、早くも節分が過ぎましたが、一向にほとんどの業種・業界とも景気の良い話は聞きません。また、多くのクライアントから来年度(2009年4月~)IT投資予算の話を聞いても、「現状の運用費用(ランニングコスト)は見込んでいるが新規IT投資の予算は凍結します。」といった話を頻繁に耳にす
るようになりました。
弊社ホームーページへのアクセスにおいても、「TCO削減」というキーワードでのアクセスが急増していることに気が付きます。では「TCO削減」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

 そもそもTCOにはどのような種類が存在するかご存じでしょうか?
私達が思うに大きく分けて2つあるように思われます。

1.業者へ支払をしているコスト

ハードウェア、ソフトウェア費用(保守費用も含む)、ネットワーク利用料や外部委託(アウトソーシング)費用 など

2.自社内での人件費コスト

契約管理、導入、ライセンス管理、変更作業を行っている管理部門のコストと問い合わせ対応作業、トラブル対応作業、バックアップ作業のIT管理作業
コスト など

これらの2つの項目について把握することからTCO削減が始まります。今回は、この中でもキャッシュフロー改善に直接影響する「1.業者へ支払をしているコスト」に着目し、その削減ポイントを探ります。

■保守契約管理がメーカーやベンダー任せになっていませんか?

ハードウェア、ソフトウェアの保守については、保守契約を行っている機器の台数や利用ソフトウェアの種類が多ければ多いほど正確な契約が行われていない可能性が高くなると考えられます。実際に社内で保守契約管理の詳細を把握していなかった為、コスト増に繋がったケースもありました。

・いざ保守を利用しようと思ったときに保守更新されていないことに気づき、年間保守費用以上のスポット費用が発生した
・既に利用していない機器等にも関わらず棚卸ができていなかった為、数年間保守料を支払い続けていた

・同じシステム内で利用している機器やソフトウェアの保守期間がバラバラでどの機器がいつ保守更新対象なのか自社で把握できていなかった為、ベンダーの見積を信用して支払いをしていた結果、実際には必要以上の保守費用を支払っていた

・ライセンスの転用によって保守費用に変更があったにも関わらず、以前の高い費用のまま保守契約を締結(更新)していた

・毎日9:00~18:00 にしか利用していないシステムにも関わらず、保守契約では24時間365日となっており、高額な保守契約費用となっていた

・保守サポートの期限が切れているソフトウエアの保守費用をずっと払い続けていた

■システムに関する見積書をいつも同じ営業マンから取っていませんか?

最近は同じシステム構築やサービスを受ける費用に対して複数社から相見積を取得する企業も増えてはきておりますが、実態はまだまだ“よく足を運んでくれている“営業マンに頼んでしまいがちであると聞いています。しかし、悪意は無くとも既存メーカーやベンダーの人件費等コストと一般相場との差異が、割高、割安といった現象を引き起こすことも決して珍しいことではないことが現状です。

例えばこのようなケースを目にした事はありませんでしょうか?

・初めて他社から同じ製品の見積を提示してもらったら、今までの価格よりも大幅に下がることがわかった

・保守作業費用において、サービス内容を全く変更をしていないにも関わらず、工数単価をアップしてもらいたいとの要求を毎回される

■個々のシステムが最適化されていても重複しているシステムまたは機能がいくつも存在しませんか?

社内には事業部門や部門または業務毎に様々な機器やアプリケーションが存在します。実は、個々に作り上げたシステムを詳細に棚卸すると、システム間でデータベースが重複していたり、それに伴ったライセンス料や運用管理費が二重三重に発生していることが多いのも現状です。
以下のような実例もありました。

・アプリケーション毎にデータベースが存在した為、テーブル等の内容を調査したところ、全く同じデータを複数のデータベースで重複管理していた

・同じプラットフォーム、同じ開発言語のアプリケーションにも関わらず「データ出力機能」を個々のアプリケーションで開発(作成)していた。

■最新の技術適用によるTCO削減を検討したことがありますか?

ここ数年で、仮想化技術やSaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)のような、ユーザが必要とするソフトウェアの機能やプラットフォームのみを利用するといったサービスも多くなってきました。今後も今以上に様々なサービスが提供されていきます。
このようなサービスを利用するには一時的な投資が必要になりますが、長期的なTCO削減という視点から業務の一部で利用し、TCO削減を行っている大企業が多くなってきています。

・仮想化技術を利用したサーバ統合で、サーバ数の削減とスペース縮小によるコスト削減に成功した

・仮想化技術を利用して、古いシステムを延命することができた

・必要な時に必要なだけのサービスを提供してもらえるので、自社で購入する費用よりも格段に安く、早く導入できた

貴社でも上記のような視点で「TCO削減」の取組みをはじめてみてはいかがでしょうか?

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2009年03月02日 (月)

青山システムコンサルティング株式会社

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