DXに関するお問い合わせがきているので、答えてもらっても良いですか?
なんだかラジオのお便りコーナーみたいだな。
ちょっとノスタルジックな響きもありますが、 インターネットラジオの普及により、最近は若者のラジオリスナーが緩やかに増加しているそうです。
昔からラジオは強いコミュニティを形成できてたから。
それとSNS等を掛け合わせた「新しいつながり」からマーケットを構築できると、まさにDXという感じがするね。
では、本日のお問い合わせです。
「ビジネスモデルの再設定が先ですか?DXが先ですか?それとも同時に進めるべきですか?」
DXは「ありたい姿」(Will Beモデル)からビジネスモデルを検討してから、優先順位をつけてデジタルを導入していくので、どちらが先ということではなく「DXにはビジネスモデルの再設定が含まれる」というのが答えかな。
でも、ビジネスモデルの再設定って、仮説検証のプロセスを含めると時間がかかりますよね?
実際のところは、既存事業の仕組みを全て棄てるケースは少なく、特にバックオフィスに関する部分は新しいビジネスモデルでも使うので、「新しいビジネスモデルを検討しながら、バックオフィスをデジタルで効率化」というケースが多いよ。
そういった意味では「同時」ということですね。
適切に危機感を持っている企業は、少なくともそれぐらいのスピード感で動いているのが現状。
逆に、全く危機感をもっていない企業は、バックオフィスにデジタルを導入するだけでも、なかなか着手できていない。
では、関連するお問い合わせをもう1つ。
「『売上増加のためのDX』と『経費削減のためのDX』では、どちらから取り組むべきですか?」
ケースバイケースとしか言いようがない。
また。。。そうやって、バッサリいかずに。。。
じゃあ、良くあるケースで。
中堅中小企業においては、定量的なデータに基づく意思決定ができていない企業が本当に多い。そういった企業が、高速かつ適切に「売上増加」に向けた仮説検証のサイクルを回すことは現実的には無理。
そういった企業であれば、「経費削減」の取り組みの中で仮説検証を回せる状態にするのが先であると、私は話してみることが多いよ。
「売上増加」の仮説検証は、「経費削減」の仮説検証と比較して、コストが高くなりがちなので、リスクが大きいですからね。
例えば、大きな予算を投じてテストマーケティングを実施しても、定量的に評価できなかったら、次の意思決定につなげられない。それほど、もったいないことは無い。
自社内のデータおよびマーケットデータを収集・分析し、意思決定ができるようにする仕組みは、どんなビジネスモデルであっても継続的な成長に不可欠です。
システム的な仕組みを構築することも大事だけど「意思決定のルールをデジタル化する」ということも、同じぐらい大事。
なるほど。意思決定の基準を「アナログな経験や勘」から「デジタルにシフトする」ってことですね。
特に、新製品や新サービスの検討においては「撤退の基準」を定量的に定めないと、サンクコスト・バイアスがかかって、適切に意思決定ができなくなってしまう。
(難しい横文字が出たのでググるか・・・)
「このまま投資を進めると損失が出ると分かっていても、これまでに投資した分を惜しみ、ついつい投資を継続してしまう心理的傾向のこと」か。ふむふむ。
事業を営んでいるときだけに限ったことではないけど、冷静に意思決定をするのは、本当に難しい。
冷静な意思決定にはデジタルで定量的な評価ができる環境が必要であると認識することが、DXに取り組む第一歩につながる、と。
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2021年12月27日 (月)