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システム導入時、本稼働前であるにも関わらず、保守費やクラウド利用料の請求書が来てしまい、戸惑うことがありませんか?

  • 「本稼働前できちんと動く確認さえできていないのに・・・」
  • 「ベンダーに必要と言われたから先に契約しただけなのに・・・」
  • 「今から払い始めると元々想定していた5年間総費用と異なってしまい、導入効果試算や他社比較根拠が崩れてしまう・・・」
  • 「ちゃんと事前に伝えてくれよ・・・」

そう、最初にベンダーへの不信感が生まれる瞬間です。だからといって、既にプロジェクトは進んでいるため、支払いを拒否することもできません。

どうすれば納得して支払いできるのでしょうか。

支払が必要であることをベンダー選定前や契約前に気がつかないといけません。システム本稼働後一括検収を要求する方法も有効ですが、提案辞退されてしまうリスクがあります。よりよいベンダーを選定するために、必ず支払計画書を出してもらうようにしましょう。

支払計画書のポイントは大きく3つです。

ポイント1. 検収計画ではなく、支払計画であること

検収計画書では、検収行為があるもののみ表現されます。契約・申し込み後そのまま支払が発生する項目は検収計画書ではわかりません。最近は提案時のプロジェクトコストを小さく見せるようにするためユーザー自身が申し込み・支払いが必要なサービスを提案の中に含めてくるベンダーも多くなっています。プロジェクト全体の支払いが提案書で見えにくくなっているので注意が必要です。

ポイント2. 月額以外の金額発生タイミングも記載されていること

ソフト保守費用、利用料やライセンス料など、月額以外にも定期的に発生する金額が、発生タイミングを含め具体的に記載されている必要があります。
精度が欠ける可能性はありますが、想定金額が具体的に記載されているかが大切です。また、ライセンス料など年単位での発生する項目も多くなっています。欄外にコメントで軽く記載される場合もあるので注意が必要です。

ポイント3. 稼働準備期間及び稼働後5年間の支払予定が試算できること

他社比較の基準を合わせるため、稼働準備期間を含めた5年間総費用での比較ではなく、稼働後5年間の総費用が試算できることが大事です。場合によっては10年間での比較を試算する必要がある場合もあります。
カスタマイズ要件を決めるために先行してソフト納品をする場合、あまりにも早く保守料が発生することがあります。稼働後5年で比較すると、総費用が逆転することもあるので気を付ける必要があります。

さいごに

RFP(提案依頼書)を発行する場合には、上記の内容を踏まえ、支払計画が立てられる情報を提案書に記載するよう依頼しましょう。RFPを発行しない場合でも、提案書に支払計画を記載するよう要求しましょう。

システム導入の経験が多い大企業は、このような事態に陥ることは少ないようですが、システム導入経験の少ない中小企業では、このような事態になっていることをよく聞きます。契約前であれば、打つ手はたくさんあります。

使用していないPaaSの費用を一年以上払わされた挙句、結局システム開発は失敗して業務で利用することなしに、業者は撤退したということも実際に起きています。このようにならないよう、納得のいかない費用を払わないよう、ユーザー企業側も対策をしないといけません。

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2018年05月21日 (月)

青山システムコンサルティング株式会社

嶋田秀光