コラムカテゴリー:ITコンサルティング
ITは速いスピードで進化しており企業での利用方法も年々変化をしています。
しかし、中小企業が抱えるITの悩みはここ十数年あまり変わらないように思います。
弊社にご相談いただく中小企業のお客様においても、各社似た悩みを抱えられています。
今回は弊社へのご相談の代表的なケースをご紹介します。
お客様からお問い合わせいただく機会の多いサービスは以下です。
・システム化計画策定
・ベンダー評価、見積評価
・システム診断
これらのサービスに関心を持つ背景にはどのような悩みがあるのでしょうか。
悩み①:全体的に整合性の無い運用に耐えられないシステムになっている
複数システムを利用しているが全体としてデータの整合性が無く、人手のデータ加工や重複入力が多く運用の手間がかかっているというケースです。
原因は各部門が都度場当たり的にシステムを導入してきたためです。これでは部分最適化が進み、会社全体として効果が限定的なシステムになります。クラウドサービスにより容易にシステム導入ができるようになったため、最近はそういったケースが増えています。
こうした状況を防ぐには「システム化計画」を策定する必要があります。
システム化計画とは1年~3年先までのシステム導入実行計画です。
経営戦略との整合性、現状業務の問題点を踏まえシステム化の目的・目標を設定し、最大限の効果が得られるシステム要件を定義します。その後、システム要件を実現するための実行計画を策定します。
悩み②:ITベンダーに支払う金額が高いと感じる。妥当か知りたい
ITベンダーとの関係が良好でなく、費用の金額に不信感を抱いているケースです。
中小企業にITコストを適切に評価のできる人材がいないことをいいことに、ITベンダーが相場より高額な金額を請求しているという、ITベンダー側に問題があるケースがあります。
しかし、不信感の原因を調査すると、以下のような中小企業側に問題があるケースも多くあります。
・要件を明確にしないままパッケージを選定したため、カスタマイズ費用が高額になっている。
・社内の関係者の利害調整をしないまま発注したため、会社全体として満足度の低いシステムとなってしまった。
・提案内容を理解しないまま発注したため、必要以上の過剰投資をしてしまった。
・曖昧な作業範囲やサービスレベルで契約しているため、保守や運用で頻繁にもめている。
適切なITベンダーに発注しIT投資を最適化するためには、以下のようなIT調達プロセスが必要です。
1. RFP(提案依頼書)作成 ⇒要件を明確にする
2. 評価表の作成 ⇒社内の利害を調整し評価項目の決定と重み付けをする
3. 提案内容評価 ⇒提案内容と実現性を確認する。
4. 契約、価格交渉 ⇒不利にならないよう交渉する。
5. ベンダー決定 ⇒社内の合意形成し最終的な決定を行う。
参考:RFP作成コンサルティング、ITベンダー 評価・選定サービス
悩み③:維持費用がかかっている割に効果が少ないと感じる
多額の費用をかけてシステム改修をしている割には、業務改善や管理水準の向上といった経営が期待する効果が感じられない。また恒常的にシステム改修が必要になり費用負担が重くなっているケースです。
原因としてよく見受けられるのは、現場のシステム利用者が自身の手間を省くための細かい機能追加や改修を繰り返してきたため、というケースです。このような会社では、一人の利用者が月に一度しか使用しない便利機能を数百万もかけて開発するといったコストに見合わない投資が起こり得ます。
現行の業務に合わせ細かい機能を作り過ぎると、業務のやり方が少し変わるたびに改修を必要とする柔軟性の無い、維持コストの高いシステムになっていきます。
こうした状況を防ぐには、IT投資の実績の評価を行うとともにIT投資計画の見直しを適切に行う必要があります。
抜本的な改善をするのであれば、既存システム・業務フローをしっかり診断・評価し、問題点を分析したのち改善施策を立案する必要があります。
診断・評価は以下のような視点で行います。
・戦略性
・業務合理性
・技術適合性
・TCO適切性
上記を読んで、同じ悩みを抱えていると感じた企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。
中小企業は社内にITの知識・経験のある人材が在籍していないことが多いので仕方の無いことではあります。
ITの専門家を社員として雇うには費用負担が大きく現実的ではないので、システムコンサルタントのような外部リソースを適宜活用することが有効な手段といえます。
関連サービス
2016年06月14日 (火)
青山システムコンサルティング株式会社